大護八郎著「石神信仰」(木耳社、1977)
テキスト「ジオパークについて」の「5『石神信仰』について」の参考引用資料である大護八郎著「石神信仰」を紹介します。
1 諸元
著者:大護八郎
書名:石神信仰
発行:木耳社
発行年月日:1977年7月10日
体裁:(21.5×16.5×6.5cm)984ページ[表紙布張り、箱入り]
ISBN:9784839342272
2 目次
総説篇
序説
第1章日本の神
第1節二つの神
第2節外来宗教の影響
第3節神と祭り
第2章石の信仰
第1節石と生活
第2節石と信仰
第3章石神・石仏の造立
第1節石神の誕生
第2節石仏の造立
第4章民間信仰と石神
第1節新しい石神
第2節石神信仰の系統
各説篇(一)神像系
序説
第1章生産神
第1節田の神
第2節山の神・天狗
第3節蚕玉神
第4節福神(えびす・大黒)
第5節水神
第6節風神・雷神
第2章土地神
第1節地神塔
第2節荒神
第3節稲荷
第3章塞ぎ
第1節道祖神
第2節愛宕真・勝軍地蔵
第3節道・橋・鋪石等の供養塔
第4節道しるべ
第5節石敢当
第4章治病・息災・延命
第1節庚申塔
第5章妊娠・安産・育児
第1節月待供養塔
第2節子安神
第3節姥神
第6章性神
第1節性神概説
第2節金精様・きんまら薬師
第3節淡島様
第4節山王様
第7章現当二世安楽
第1節日待供養塔
第2節現当二世安楽と石神
第8章修験と石神
第1節役行者
第2節蔵王権現
第9章その他の神像
各説篇(二)仏像系
第1章地蔵と観音
第1節地蔵菩薩
第2節観世音菩薩
第2章馬頭観世音
第1節馬頭観世音
第2節蒼前様と馬櫪神
第3節馬鳴様
第3章その他の石仏
第1節如来
第2節菩薩
第3節天部
第4節明王
第5節その他の石仏
第6節その他の供養塔
3 「序」抜粋
著者は「序」の中で、一般に言われる「石仏」の中に「石神」が含まれていることの重要性を喚起するために、あえて書名を「石神信仰」としたことを述べています。著者が伝えたい重要な視点であると考えますので、その部分を抜粋します。
「奈良朝の昔諸国の風土記に数多く記されている『石神』は、石に素材を求めて仏像を刻むことの盛行に伴って『石仏』という名におきかえられたが、日本民族の石に関する信仰はそれによってと絶えたわけではなく、石仏の中に神を見ることはひき続いてあった。明治四十三年柳田国男によって『石神問答』が世に送られたが、それ以後も『石仏』の名が『石神』をも包括した名称として誰怪しむこともなく今日にいたっている。神仏習合の長い歴史は、こうした世界においても石神と石仏を劃然と区別できない多くの要素をもっている。しかし『石仏』という名に包括されるととによって、その本質に多くの誤解を生んでいることも事実である。一つの通念化された言葉は一朝一夕にこれを変えることは困難である。私も今まで『石仏』の名を用いてきたし、これからもなお用いるであろう。誰もが『石仏』という言葉の中に、『石神』・『石仏』を包括していることは理解しているが、併せ説くとき『石神』・『石仏』と重ねて呼ぶことのわずらわしさのために、『石仏』の名を用いることを便法としているのである。私がこの本を以て『石神信仰』と敢て名づけたゆえんは、敢て奇をてらう意味でもなく、一応世間の注意を喚起しようとする微意にすぎない。」
4 私のメモ
テキスト「ジオパークについて」の「5『石神信仰』について」の原本にあたる本書は984ページの大著です。目次を見ていただいてわかるとおり、私たちが路傍で見かける石神、石仏が網羅的かつ体系的に記述されています。目次を眺めるだけで楽しめる本です。私は石神、石仏の知識が少ないので、この本で知識獲得と整理ができそうなので、読破に対する意欲が湧きます。
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