2011年4月19日火曜日

岩井國臣著「劇場国家にっぽん」紹介

            岩井國臣著「劇場国家にっぽん」(新公論社、2004)

 岩井國臣先生の主著である「劇場国家にっぽん」を紹介します。

1 諸元
著者:岩井國臣
書名:劇場国家にっぽん わが国の姿のあるべきようは
発行:新公論社
発行年月日:2004年7月22日
体裁:単行本(21.2 x 15.2 x 1.6 cm)183ページ
ISBN-10:4915156125

2 目次
はじめに
第1章 劇場国家にっぽんの礎
第2章 モノづくり博物館
第3章 会津から響く声
第4章 わが国のあるべき姿
あとがき

3 「はじめに」抜粋
 著者は「はじめに」で、前著「桃源雲情」で表した国づくり、地域づくりの哲学に関する問題意識について、その継続と発展について述べています。その部分について抜粋しました。

(前略)
わが国の国づくり、地域づくり、町づくりは、これからの新しい第三文明の原理にもとづいてやっていくべきではないのか。過疎開題も、農山村問題も、現代の科学文明では、もはや解決し得ないのではないか。新しい第三の文明を早急につくりだしていかなければならない。そうでないとわが国の伝統・文化というものが、現代の科学文明に押しつぶされて失くなってしまうのではないか。
しかし、まだ大丈夫だ、間に合う。私はかつて『桃源雲情-地域づくりの哲学と実践』(1994年・新公論社)という小著を出したが、そのなかで「哲学者はさぼっているのではないか」というようなことを書いた。そしてその問いを梅原猛にぶつけたことがある。彼は笑って何も言わなかったが、当時の私は大いに勘違いしていた。日本の哲学者はさぼってなどいなかった。梅原猛もそうだが、中村雄二郎や中沢新一の執筆活動に、私は今ぞっこん惚れ込んで…まあ言うなれば首ったけである。
そして、そういう哲学者の導きによって、どうやら私も、平和な国づくりの道筋が見えてきたように感じている。まだまだの面もあることはわかっている。
(中略)
今年あたり、歴史的に見て、世界のなかで日本を中心に新しい文明の芽が出てくるのではないか。密かにそのような予感を抱いている。
新しい文明とは、ダーウィンが進化論で唱えた弱肉強食の社会ではない。わが大先輩、今西錦司が「棲み分けの理論」で説いたところの共生社会を目指す文明である。さらに、今をときめく哲学者、中沢新一の説く「モノとの同盟」である。「違いを認める文明」の芽が、近い将来、この日本から出てくるのではないか、そんな予感がするのである。今、中沢新一が盛んに打ち続けている「太古のリズム」が人びとの心を震わし、新しい文明を生む萌芽の兆しを、私は肌で感ずるのでる。しかして、その新しい文明の鍵とは?それは中沢が説くところの、世界の「宿神の王」であり、「後戸の神」であろう。
ともあれ、以下の拙文をご高覧いただきたい。

4 私のメモ
・テキスト「ジオパークについて」の中で学習すべき主要概念のうち、基本的なものがこの本の中で扱われ、説明されている。
・じっくり読んでみる。
・この本を読むことで、著者のものの考え方がより鮮明にわかることになるだろう。
・従って、この本の読後、テキスト「ジオパークについて」の学習が楽になると思う。
・引用図書、参考図書も多いので、そちらへの寄り道読書もする。

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