2011年6月12日日曜日

折口信夫「霊魂の話」を読んで

            折口信夫全集第三巻古代研究(民俗学篇2) 中公文庫版

 折口信夫全集第三巻古代研究(民俗学篇2)の中公文庫版古本をWEB購入し、「霊魂の話」を読みました。自分自身の過去の行動特性を踏まえると、折口信夫全集を手元に揃えるのは時間の問題であると感じましたので、とりあえずの読書のために、WEBで最安値本を入手しました。

 読書後「青空文庫」(著作権切れ著作物の公開サイト)にこの「霊魂の話」が掲載されていることを知りました。この論文だけを読みたい方はWEBで全文テキスト入手あるいは画面表示による閲覧読書が可能です。

1 この論文の特徴
初出情報として、郷土研究会講演、昭和4年9月「民俗学」第1巻第3号と出ています。
文庫本17ページの小論文が15節に分れ、それぞれに小見出しがついています。論文全体が俯瞰でき、また節の読みきりがしやすいです。82年前の論文とはとても思えない簡明性があります。理解しやすい論文です。

2 中沢新一の引用の的確性のチェック
この論文を読んだ理由は次の2点あります。

ア 地域づくりの哲学的基礎に関する興味を深める(興味を満たす)ためです。岩井國臣先生のテキスト「ジオパークについて」→岩井國臣著「劇場国家にっぽん」→中沢新一「モノとの同盟」→折口信夫「霊魂の話」と読書が続いています。

イ 中沢新一の引用を確認し、その的確性をチェックすることです。学者の著作物を素人がチェックするという表現はすこしおこがましいですが、最初の読書では必要だと思いました。

以上の読書理由のうち、イのチェックという面でいうと、折口信夫が話している内容を中沢新一は間違いなく伝えていることを確認しました。

同時に、折口信夫の話している内容に中沢新一が新しい生命を与えていると強く感じました。折口信夫の著作を生き返らせているという印象を受けました。チェック的意識も持って「霊魂の話」を読んでよかったです。

 折口信夫の古代に深く掘り込んでいく探求の成果を、中沢新一は現代世界の根本問題解決のヒントとして利用しようとしています。未来を志向しています。岩井國臣先生は現実社会問題解決のための哲学(地域づくりの哲学)形成をめざし、その柱の一つとして中沢新一のヒントを活用しています。

3 興味を深めた点
 たまの分化、発生の3段の順序が日本人の思考を理解する上で大切であり、その理解が必須であったことに、ようやく気がついたという印象をもちました。
それを理解することにより、「ものいみ」「石に関する民話」「漂着石や漂着神」「石こづみや古墳」「山伏など山岳信仰」の理解が進みました。知識の幅を広げることができたと実感できました。

 次にこの論文のメモをフリーマインド(フリーソフト)でまとめました。

            折口信夫「霊魂の話」のメモ

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